短評
『時をかける少女』短評 — 初めてのタイムリープものが、これだった
あらすじ
高校2年の紺野真琴は、ある日を境に、時間を跳び越える「タイムリープ」の力を 手に入れる。遅刻の回避から小テストのやり直し、プリンの争奪まで、日常の やり直しに力を使ううち、物事は少しずつ思わぬ方向へ。筒井康隆の同名小説の 「その後」を描く、細田守監督の青春SFアニメ。
キャスト
- 紺野真琴仲里依紗
- 間宮千昭石田卓也
- 津田功介板倉光隆
- 芳山和子原沙知絵
- 藤谷果穂垣内彩未
『時をかける少女』(2006年のアニメ版)を観た。実は、タイムリープものを観るのはこれが初めてで、演出が斬新で楽しめた。
斬新だと感じたのは、まずタイムリープの表現そのもの。走って、跳んで、時間が巻き戻る、あの見せ方だ。同じ場面が少しずつ違って繰り返される見せ方も面白い。そして夏の空気感と、画面の光。入道雲や放課後の描写がとても良い。
人物では、真琴の等身大さが心に残った。せっかくの力を、プリンやカラオケといった日常のやり直しに惜しみなく使う、あの無駄遣いっぷりである。功介を含めた放課後の3人の関係も良くて、あのキャッチボールの空気があるからこそ、千昭との関係が変わっていくのが切ないのだ。
物語も綺麗に収まっていた。ループの理屈に破綻がなくて、タイムリープもの初体験でも混乱せずに追えたし、98分というやりすぎない長さにスッと収まっている。それでいて、ラストの余韻がちゃんと残る。切ないのに、前向きなのだ。
94点。初めてのタイムリープものがこれで良かった、と思う。